新・今日も今日とて

35歳OLの日常(統合失調症と共に生きる)

コロッケ

コロッケが食べたいと夫に言ったのは確か金曜日の夜だった気がする。

私は買ってきてほしいという意味合いで言ったつもりだったのだけれど土曜日に夫がコロッケを作ってくれた。まさか作ってくれるとは思わなかったので内心とてもびっくりした。実家にいた時に母が作ってくれたコロッケは俵型だった。夫が作ってくれたコロッケは丸いクッキーのような円形をしていた。形が違うのを見て私は自分は実家にはもういなくてここは夫と暮らすお家なんだと強く思った。

夫の作ってくれたコロッケはとても美味しかった。不思議な話なんだけれど食べると実家のコロッケと味がよく似ている気がした。とても懐かしい気持ちになった。母はコロッケは手間がかかるとよく言っていた。私が一回しか言わなかったことを覚えていて食べたいという願いを叶えてくれる夫は神さまか何かなんじゃないかと思った。

こうやってまた幸せな記憶が増えていく。私は夫に何をしてあげられるんだろう。夫が死にそうな何か危機に陥ったら代わりに私が死のうと思う。