新・今日も今日とて

35歳OLの日常(統合失調症と共に生きる)

リラックマのぬいぐるみ

私はリラックマが好きだ。中高生の時はディズニー好きな女子は苦手だったしキティちゃんもあまり好きではなかった。みんなが好きなものは好きではなかった気がする。だけどその頃からリラックマだけは大好きだった。肩に力が入ってなくて見ていてほっとするからなのか何となく好きだった。好きになる時は理由なんて特別なくて、というかそんなものは必要なくてただ何となく好きになるんだと思う。

そんな私の部屋にはリラックマのぬいぐるみがたくさんある。ほとんどは夫からプレゼントでもらったりゲーセンで取ってくれたりしたものだ。その中に一番小さいリラックマのぬいぐるみがある。それは高校生だった時、友だちから誕生日プレゼントでもらったものだ。洗ってもうっすらと茶色くなっていて時間を感じさせる。そのリラックマ閉鎖病棟の入院生活でも私のそばにいて保護室にも一緒に入った。退院したのが夏だったから暑くなると入院中のことをとにかくよく思い出す。

その小さなリラックマをくれた子はとてもかわいらしい女の子だった。高校を卒業する年のお正月に年賀状を送ってくれてそこには私のことを忘れないでねと書いてあった。私は天の邪鬼でひねくれているところがあるからそう言われるときっとすぐに忘れてしまうんだろうなと思った。確かに大学に通うようになって海外に留学していた時は彼女のことはすっかり忘れていた。でも卒業してすぐに入院して小さなリラックマと一緒に病室にいるようになってからたまに彼女のことを思い出すようになった。もう名前もはっきりと覚えていない。あんなに仲良くしていたのに名前すら忘れてしまうことが何だかとてもショックだったけど、今となっては仕方のないことだと思う。覚えていることの方が少ない。毎日どんどん色んなことを忘れてしまう。その内生きていることすらも忘れてしまいそうだ。

その子とは高校を卒業してから連絡を取っていないので今どこで何をしているのかは知らない。元気にしているかなとは思うけれど特に連絡を取るために行動するつもりもない。これは色々な場面で思うんだけど、縁があったらまた会えると思う。会えなかったらそれまでのことだ。

彼女が年賀状に書いた言葉は実現している。私はきっと彼女のことをたまに思い出しながら生きていく。もしかしたら私も誰かにとってそういう存在になっているのかもしれないし、なっていないかもしれない。それはまた別の話だ。今その小さなリラックマは私の膝の上にいる。何となく君とはずっと一緒にいる気がするよ。ただ何となくなんだけどね。

2021.8.20追記

メールアドレスとパスワード忘れのため、にほんブログ村にログインできなくなったのでこの指定記事に登録削除用の指定文字列を追記します。

uCe7fz

以上です。