新・今日も今日とて

35歳OLの日常(統合失調症と共に生きる)

刑務所か病院か

入院中に本を読んでいた。

確か観察室にいた時でやっと少し落ち着いてきた頃だった気がする。でも本を読むのはなかなかしんどくて読めない!読みたい!と1人ベッドの上でバタバタしていた記憶がある。

読んでいたのは「プリズン・ガール」という有村朋美さんの本だ。アメリカの女子刑務所に入った日本人の女の子の話だ。

今、思えばなんでその本があの病院にあったのだろうと思う。入院中の患者さんがここは刑務所のようだと思って読んでいたのだろうか。まあ確かにそう思う気持ちはわかる気がする。

その本を観察室で読み終わって9年たってまた読むことにした。もう一度読みたくなって文庫本をメルカリで買った。図書館への往復の交通費よりも買った方が安かった。通勤中に少しずつ読んで先ほど読み終えた。読んでいてとても懐かしい気持ちになった。読み終わった今はとても清々しい気持ちだ。

毎年夏にこの本を読むことにしようかと思った。そうやって入院中のことを忘れないようにしたい。でもそう思ったこともきっとすぐに忘れてしまうような気がする。忘れないようにこの本は手元に残そうと思う。

たぶん、入院中のことを忘れた時に再発してしまう気がする。だからあの時間を忘れないようにしたい。この本は私の大切なパートナーになる気がした。